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骨粗鬆症

概要

骨粗鬆症とは、2000年の米国国立衛生研究所の会議で採択された骨粗鬆症の定義がありますので、引用します。『骨粗鬆症は骨強度が低下し、骨折リスクが高くなる骨の障害で、骨強度は骨密度と骨の質の両方を反映する』というものです。要点はまず全身性の骨の問題であるということ、そして骨が弱くなって骨折しやすくなった状態であるということです。  この定義の底に流れる考え方は、骨折が起こってはじめて骨粗鬆症とするのではなく、未だ骨折が起こる前からリスクの高い人は骨粗鬆症であると診断して、積極的に介入していこうというものです。背景には骨密度をある程度の再現性と信頼性を持って測定することが可能になったという事実があります。骨が脆くなったために通常では骨折に至らない程度の外力で骨折を生じる、いわゆる「脆弱性骨折」のなかには、移動能力や生活の質に直接重大な影響を与えるものもあります。  人口の高齢化に伴い、このような脆弱性骨折の予防が重要な課題となっています。当外来では骨代謝学会の診断基準に基づいた確実な診断、類似疾患の注意深い除外、病態に応じた適切な治療を心掛けています。また、生活習慣の指導も含めた総合的な対処を重視し、骨粗鬆症治療の目標は骨折を少しでも減らすこと、そして生活の質を維持・改善することにあることを念頭において診療にあたっています。骨粗鬆症の治療では他科との連携が重要であり、当外来では二次性骨粗鬆症の治療にも、力を注いでいます。